人類は元々、太陽が昇ると起き、太陽が沈むと眠る生活をしていました。
このリズムは、私たち現代人の遺伝子にも深く刻み込まれています。身体には、日光を浴びて健康を維持させるシステムが備わっているのです。
皮膚に日光があたると、皮膚に蓄積されているコレステロールを原料にして、体内でビタミンDという物質が作られます。
昔は、ビタミンDといえば「カルシウムの吸収を調節するビタミン」としか捉えられておらず、医師の間でも「骨粗鬆症の方などの骨を強くするために処方する成分」という認識でしかなかったそうです。
しかし近年、ビタミンDには健康に対するたくさんのメリット、特に免疫力をアップさせる効果があることが分かってきました。
ビタミンDは、リンパ球やマクロファージと呼ばれる感染の最前線で働く白血球の機能をコントロールします。体がビタミンD不足の状態に陥っていると、感染症にかかるリスクや重症化するリスクが高まります。
現在、人類が悩まされている新型コロナウイルス感染症でも、患者の体内のビタミンDレベルによって、その症状にははっきり異なる傾向がみられると報告されました。
自分の体内のビタミンD過不足状態を知るためには、病院で採血によって血中のビタミンD濃度(25OH・ビタミンD3)を測定してもらう必要があります。
| ビタミンD濃度 | 状態判定 |
| 30ng/ml以上 | 充足 |
| 20〜30ng/ml未満 | 不足 |
| 20ng/ml未満 | 欠乏 |
充足状態のグループでは、人工呼吸器などの集中治療が必要なほど重症化した人の割合は7.2%であったのに対して、不足+欠乏状態のグループでは64%もの人が重症化しました。
感染対策としては、ビタミンD濃度は50ng/ml以上が望ましいそうです。
しかし、感染症が流行りやすく日照時間も短い冬の季節では、実に男性の35.4%、女性の62.2%がビタミンD濃度20ng/ml未満である「ビタミンD欠乏症」になっています。
ビタミンDは、現在では免疫力アップの他、抗がん、認知症予防、うつ病改善、糖尿病予防、男性機能向上などの効果も確認されています。
ビタミンDを多く含む食品は、主に魚類です。その他には、牛のレバーなどの肉類、バター、チーズ、キノコ、卵の黄身などが挙げられます。
市場調査会社のインテージによると、2020年のビタミンD関連サプリメントの販売額は約4億8000万円だそうで、この販売額は前年の1.9倍にあたります。
新型コロナをきっかけとして皆さんビタミンDへの関心が高まり、不足分をサプリメントで補おうとして需要が増したと思われます。
ビタミンDの値は、太陽の光を浴びるだけでも上昇します。そしてその結果、免疫力がアップするのですから、できれば毎日、日光浴がてら散歩をしましょう。散歩という運動にも、さまざまな健康上のメリットが存在します。
ビタミンDの上昇という観点での推奨時間は、夏場は5分、冬場は15分程度です。ちなみに日焼け止めを塗ると、やはりその効果は落ちてしまいます。
最後に、偉人の「散歩に対する考え方を表した名言」を並べておきます。
-ヒポクラテス-(紀元前460年頃-紀元前370年頃)
-トーマス・ジェファーソン-(1743-1826)
-フリードリヒ・ニーチェ-(1844-1900)