良好な人間関係の構築には欠かせない「心理的リアクタンス」という概念

空に浮かべるハート

学生時代、せっかく勉強しようと思っていたのに親から「勉強しなさい」と言われたことでやる気を失った、という話はよく聞きますよね。

また不動産屋では、お客が物件を探しに来たとき、条件に合った最高の物件だけを勧めるより、複数の物件を提示したほうが、だんぜん契約されやすいそうです。

人は自分の行動や選択を他人に決められると「自由が奪われた」と感じ、反発する態度を取ってしまうことがあります。

この、人の特性のことは心理学の用語で「心理的リアクタンス」と呼ばれます。

心理的リアクタンスとは、人が己の自由を他者から脅かされたときに生じる、自由を回復しようとする精神的な反発作用のことです。

これは1966年に、アメリカの心理学者ジャック・ブレームによって提唱された理論で、リアクタンスには「抵抗・反発」という意味があります。

特に思春期には「親から自立したい」という想いが強まり、リアクタンスがピークを迎えると考えられており、これがいわゆる反抗期と呼ばれるものです。

アリゾナ大学「カレッジ・オブ・メディスン」のジョゼフ・グランプレらが、9歳から15歳までの子どもたちを対象に、心理的リアクタンスの調査を行ったところ、この年齢の範囲内においては「年齢とともにメッセージに対する抵抗は強くなる」ことが確認されました。

たとえ相手の指示と自分が元々予定していた行動が同じであったり、相手の指示に従うほうがメリットが多かったとしても、心理的リアクタンスは生じます。

相手に心理的リアクタンスを抱かせないようにするためには、主に2つのことに注意する必要があります。

1つ目は、相手に「あなたの意思を尊重している」と態度で示し、強く命令しないこと。命令ではなく提案やお願い、そして質問をして正しい道へ誘導するのです。

2つ目は、選択肢を与えて相手に選ばせること。冒頭で書いた不動産屋の例がまさに当てはまります。

相手に選ばせたい選択が一つであっても、あえて引き立て役として他の選択肢を用意します。この選択が最も適切であるということは、自分で全て説明するのではなく、相手に自ら思考させ、辿り着かせるのです。

冒頭の、子どもの勉強意欲を奪うケースの回避方法としては「勉強は順調?」と聞いてみたり、子ども自身の定期テストに対する考え方を、親が教えてもらうようなスタンスで質問をするのが効果的です。

「質問」というのは、相手に思考を一時的に強制する特徴があります。

質問をベースとした対話を通して相手を認め、しかしながらも相手にそのことを考えさせる機会を適時提供し、親は子を上手く誘導していくと良いでしょう。

Kenta

1992年生まれ、兵庫県在住。本業は個人事業主で、小規模団体の会計請負事業をやっています。ニュースや書籍を読むことが大好きなので、それらで得られた生き方に役立つであろう情報を皆さんとシェアできればと思います。

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