広告を打たずして連日の長い行列をつくりだしたドーナツ店

行列に並ぶ人々の足元

ドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は、まだ知名度がない時代に店先で商品そのものを無料配布することによって成功を収めた企業です。今回はこのクリスピー・クリーム・ドーナツの販売戦略を見ていきたいと思います。

クリスピー・クリーム・ドーナツとは

クリスピー・クリーム・ドーナツは、アメリカで1937年に創業されました。日本初上陸は2006年で、日本国内には50店舗存在しています(2021年3月時点)。

広告を打たない企業

世の中には、ほぼ広告に頼ることなく世界的企業にまで成長した会社があります。代表的な例としてはスターバックスやコストコが挙げられます。そしてクリスピー・クリーム・ドーナツもその一つと言えるでしょう。テレビを見ていても、これらの企業のCMは見たことがないはずです。

クリスピー・クリーム・ドーナツの宣伝方法

クリスピー・クリーム・ドーナツは冒頭でも書いた通り、店先で商品であるドーナツを道ゆく人々に無料で配っていくという宣伝方法を取りました。この宣伝の肝となる部分は、1人にドーナツ1個ではなく1箱(12個入り)を配ったというところです。

巷には広告があふれています。その中で勝負するよりも、いま目の前にいる潜在顧客にアプローチすることを選んだわけです。

メインターゲットはランチタイムに会社から出てくる女性

ドーナツの無料配布は主にランチタイムに行われました。さすがに1人で12個のドーナツを一度に食べることはできないので、多くの人がオフィスに持って帰ることになります。するとオフィスでは、きっとこんな会話が生まれたことでしょう。

「どうしたの?ドーナツをそんなにたくさん買ってきて」
「違うの。新規オープンしたドーナツ屋さんが無料で配ってたのよ。もしよかったら、みんなも味見してみない?」
「どうもありがとう。結構おいしいわね! ねえ、これどこにあるなんて名前のお店?」
「それはね」

特別な体験をすると誰かに話したくなる

会社の終業時刻のあとには、店に長い行列ができることになったそうです。そしてさらに、店は行列に並んでいる人たちに試食用としてドーナツを1個ずつ渡していきました。ここまでされると感謝の気持ちが芽生えた客もいたことでしょう。行列に並んだ人たちは、この体験をまた誰かに話したと思います。

口コミが広がって行列は連日のものとなり、それからクリスピー・クリーム・ドーナツは一気に知名度を獲得していきました。

損して得取れ

一般的には新規オープンしたら新聞や雑誌に広告を載せたり、チラシを作って人を雇って撒いてもらったりするわけですが、当然これらは効果が出るまでに結構な費用と時間がかかります。クリスピー・クリーム・ドーナツはこれらに費用をかけず、代わりに商品を直接配ることに費やしました。

ドーナツという商材、そしてその時の状況がマッチしたからこその結果ではあると思いますが、見事な販売戦略です。現代ではSNSが普及しているので、この販売戦略の成功確率は当時よりも上がっているかもしれませんね。

Kenta

1992年生まれ、兵庫県在住。本業は個人事業主で、小規模団体の会計請負事業をやっています。ニュースや書籍を読むことが大好きなので、それらで得られた生き方に役立つであろう情報を皆さんとシェアできればと思います。

未分類