時間とお金を大切に
経済社会を生きていく上で、忘れてはいけないのが時間とお金の貴重さです。時間は自分の人生そのものですし、お金は命の先行きを決定させます。今回は、そんな時間とお金に関するある有名な法則について見ていきたいと思います。それは「パーキンソンの法則」と呼ばれるものです。
パーキンソンの法則とは
パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンによって提唱された法則で、以下の2つから成ります。
【第1法則】
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
【第2法則】
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。
研究対象はイギリスの行政組織
パーキンソンは、1990年代イギリスの官僚制行政組織を研究・分析してこの法則の発表に至ります。ざっくりと説明していきます。
パーキンソンの調査によると、当時、大英帝国の規模はもう縮小し続けていたにもかかわらず、殖民地支配に関する事務を担当していた官庁の職員数は増加傾向にありました。また、官僚制内部の総職員数も、仕事の増減に関係なく毎年約5〜7%増加しているとパーキンソンは指摘しています。
パーキンソンは、これらの事実やその他の分析から「役人はライバルではなく部下が増えることを望み、役人同士で相互に仕事を生み出しあっている」と結論付けました。
国の機関に税金を正しく使わせることはできない
現代の日本でも官僚制を採用していることから、長年似たようなことが起きています。行政機関において業務の効率化や合理性の追求など、そもそも組織目標ではないのです。
自分たちから改善させることは稀で、民間人からの圧力によってしぶしぶ対応するという流れが基本です。理由は主に、競争の原理が作用していないことに起因します。
しかし、これは別に役人が特別自己中心的であったり、怠慢だったりして起きているわけではありません。組織運営に官僚制を採用すれば、人間の性質上いつか必ず起きることなのです。問題点はむしろ制度のほうにあるといえます。それが法則というものです。
多くの人は基本的にギリギリ状態がデフォルト
この法則は組織だけではなく個人に対してもしばしば当てはまります。夏休みの宿題を全てやり終えるのは、大多数の人が8月末になるのです。大人になっても仕事の書類が完成するのは期日ギリギリになるのです。特に見切りをつけるのが苦手な完璧主義の人には顕著に表れます。
完璧の定義など実にあやふやなものなので、締め切りが1週間と2週間のレポートに大した違いは生まれません。せいぜい見た目が少し綺麗になるだけで、レポートの本質的価値はほとんど同じものになるでしょう。
個人レベルでは自分の一存で行動を決められるので、理性と努力によってこの法則から抜け出すことができます。大切なのは人間のこの法則を理解し、理性的でちゃんと見切りをつけられるようになることです。期限を自分で決められるのなら、あえて少し短めに設定して自分を追い込むようにすること。あまり収入額に固執せず、支出額のほうを重視すること。
組織に期待しすぎず、自分の時間とお金を無駄に消費することのないよう気を付けていきましょう。