さて、2024年もスタートして数日が経ちます。
今年は、非常に恐ろしいことに元日から「令和6年能登半島地震」と命名された震災で幕が開けてしまいました。
被災された方、並びに亡くなられた方とそのご遺族に心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。
2024年の目玉としては、やはり新NISA制度のスタートが挙げられます。
そして、新NISAを政府が謳う目的の1つとして「投資に馴染みがない中間層の所得を上げる」というのがあります。投資で得た利益に対する非課税枠を増やすことで、投資にチャレンジする人はさらに増えるでしょう。
しかし、非課税枠を大幅に増額したことによって、国の税収は確実に減ります。
もちろん、これによって日本にも投資文化が根付き、企業活動の活発化や中間層の所得増加による消費の活性化が起きれば、税収はNISA制度改正前より増えるということは期待できます。
ですが、現状の日本の経済動向を見る限り、その期待値は低く、仮にうまくいったとしても実現までには多くの時間を要するでしょう。
現行の政府が税収減を招くような政策を積極的に打ち、そのままにしておくわけもなく、必ずどこかで穴埋めが行われると考えるのが自然です。
その穴埋めは、金融所得の多い人がこれから担うことになりそうです。
現在、所得税率は累進課税により7段階あり、所得4,000万円以上で最高税率の45%が課される一方、インカムゲイン・キャピタルゲインに対する税率は一律で約20%です。
このアンバランスさは、所得1億円を超えたあたりから実質的な税負担率が下がってしまう「1億円の壁」といわれる問題をつくりだしています。
すでに金融所得の税率アップに向けて税制改正の必要性が訴えられており、2025年からは所得30億円以上の超富裕層に対して課税強化が行われる予定になっています。この条件に該当する人は、どうやら国内に200〜300人ほど存在しているようです。
次に、昨今話題になっている国民負担率。財務省の資料によると、2023年度の国民負担率は46.8%になる見通しです。
このような状態では、所得税率を上げるのももう限界に達していると言わざるを得ません。
おそらく、政府にはこれから消費税のように、金融所得の税率もジワジワと少しずつ上げていき、さらに範囲も拡大させていくという目論見があるのではないかと思います。
NISA制度の拡大は、まず中間層を味方に取り込み、富裕層へ増税を容認させるための布石としての意味もあるように感じます。
しかし、これによって国内の富裕層たちが海外に出ていってしまうと、日本経済はさらに窮地に追い込まれます。前述した2025年に予定されている課税強化で、政府は超富裕層たちの動向をうかがうつもりなのでしょう。