日々のニュースを見ていると、海外のオークションで芸術品や希少性の高い物が出品され、高額な値が付いたという話題がたまに上がります。
2023年2月にも、オークションで新品未開封の初代iPhoneが6万3356.40ドル(約850万円)で落札されたことが報じられました。
この金額は、この物品では史上最高額だそうで、新記録を樹立したことになります。そして、この記録は取引実績としても残ります。
近年は、特に現代アートの作品価格で異常な高騰が起きています。
たとえば、ZOZOTOWNの元社長である前澤友作さんが所有していたことでも知られている、アメリカ人画家ジャン=ミシェル・バスキアの作品は、2000年から2017年の間に価格が約19倍にも跳ね上がっています。
前澤さんが所有していたバスキアの作品は、2022年にフィリップス主催のオークションで8,500万ドル(約110億円)の値が付きましたが、2016年に競り落とした時の価格は5,700万ドル(約62億円)でした。つまり、この6年間でも価格が2倍近く上がったことになります。
今までアート作品は、芸術的な価値がある物として重要視されてきましたが、最近では金銭的な投資対象としての位置付けが、日に日に増しています。また「世界の富裕層たちは、芸術品を資産隠しに利用している」との指摘もあります。
世界には、高額な値が付いた美術品の保管を依頼できる「フリーポート」と呼ばれる保税倉庫が存在します。保税倉庫とは、税関での輸入手続きが済んでいない外国貨物を一時的に保管する倉庫のことで、この倉庫に貨物がある間は関税などの税金が課されません。
フリーポートの内部は厳重なセキュリティーで守られていて、その中で管理されている間は関税もかからず、売買取引が成立しても税金を払う必要がないそうです。あくまで芸術作品であるため、運搬や保管に関する規制のゆるい国が多い、というのが現状です。
絵画や彫刻は、不動産などに比べると小さめで扱いやすいにもかかわらず莫大な価値が付き、なんなら自宅に飾っておくこともできます。作品の知識がない者には瞬時に価値がバレない、というのもメリットの1つといえるでしょう。
世界の富裕層にとって、芸術品のこのような特徴が、投資対象として魅力的に映る一因となっているようです。
参考文献
『世界のニュースを日本人は何も知らない』谷本真由美(ワニブックス)