総務省は1月31日、住民基本台帳に基づく2024年の人口移動に関する報告を発表しました。
首都東京では、転入者が転出者を上回る「転入超過」が7万9,285人となり、3年連続で増加しています。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたことで、再び東京への人口集中が加速している状況です。
これは、10代から30代前半の若年層において、進学や就職・転勤などを理由とする転入が多かったことが、主な要因と考えられます。
東京への一極集中については、日本全体で改めて考える必要があります。
東京はインフラが整い、教育機関も充実していて、さらに総合病院などの医療機関も多く、万が一の際にも選択肢が豊富です。こうした利便性の高さが、人々を東京へと引き寄せる大きな理由の一つとなっています。
地方では、高校を卒業しても大学や専門学校、就職先の選択肢が限られているため、多くの若者が東京をはじめとする都市部へ移動せざるを得ません。その結果、地方の過疎化は進み、過疎地域のインフラを維持させることも、どんどん難しくなっていくでしょう。
これからは、設備の劣化具合をドローンで確認したり、AIで予測したりなど、インフラの維持にテクノロジーを積極的に使っていくことになります。とは言っても、まだまだある程度は技術者に現場に居てもらわないと、円滑な業務遂行が難しい状況です。
IT業界では、首都圏に技術者の多くが集中しており、地方との格差が顕著になっています。さらに、コロナ禍で進んだテレワークの流れも、大手IT企業を中心に出社回帰の傾向が強まっています。これは世界的に見られる傾向です。
インターネットが普及し、どこでも仕事ができる環境が整ったにもかかわらず「東京に居なくてもいい」とはならず、むしろネットでつながった人と気軽に会って仕事ができる東京の利便性が改めて注目されるという現象が起きています。
東京から地方都市へ人を分散させる有効的な政策がほとんど存在しないことも、一極集中の流れが止まらない理由の一つでしょう。
少子高齢化による急激な人口減少が約束された日本社会において、人口の集約、いわゆるコンパクトシティ化は非常に大切ですが、その集約先が東京であるべきかどうかについては、まだまだ議論が必要です。同時に、やはり地方都市への人口の分散も促進していかなくてはなりません。
コロナ禍では、IT業界のワーカーを筆頭に、東京から地方へ転出する人が増えていると大手メディアで報じられていました。地方に移り住み、広い家でリモートワークをしながらのびのびとした生活を送る、そんな理想的な移住生活が、テレビなどでもよく取り上げられました。
しかし、実際にはその流れがあまり定着することはなく、フットワークの軽い人々は状況が落ち着けば、結局再び利便性の高い東京へ戻ってくるという現実があるようです。
東京一極集中の問題を解決するには、単なる移住の呼びかけだけではなく、地方都市の魅力を高めて生活しやすい環境を整備することが求められます。
今後、都心と地方のバランスをどう取るべきか、抜本的な対策が必要です。