人間社会を生きる上で大切な「非認知能力」

人間社会を生きる上で大切な「非認知能力」

近年、人生の成功において重要なのは、詰め込み型の勉強よりも「非認知能力を高めることである」という考え方が一般的になってきています。

非認知能力とは、他人の気持ち・価値観に共感できる感情の豊かさやコミュニケーション能力であったり、他にも時間を管理する技術や失敗から立ち上がる強さなどの、主に感情的情緒的な能力のことを指します。

これらの能力は、数値化することが難しいですが、社会生活を送る上で極めて重要なのは周知の通りです。こういった能力は、壮大な物語に触れたり、他者と親密な交流をすることによって磨かれていきます。

従来詰め込み型教育で知られていた中国でも、教育において子どもの体験を重視する親が徐々に増加し、今ではディベートスクール・キャンプ・スタディツアーなどの集団活動が人気を博しているそうです。このような活動を通じて、子どもに人間関係や協調性を学んでほしいと考える親が多いのです。

ノーベル賞の受賞者でもあるシカゴ大学のジェームズ・J・ヘックマン教授が書いた書籍『幼児教育の経済学』(東洋経済新報社)では、親の所得が学力に影響すること幼児期の教育がその子の学力だけでなく将来的な健康にまで影響すること親とのふれあいが少ないと子どもの脳が萎縮してしまうこと、などが紹介されています。

幼児期の教育とは、保護されることや愛情を受け取ること、子どもが親や友達とさまざまな体験をすること、誰かと楽しく交流をしたりすることを含んでおり、これらによって非認知能力が高まるといわれています。

非認知能力が高い未成年者は、自己管理能力が育まれているため勉強でも高い成果を上げられるだけでなく、反社会的な行動や犯罪、望まない早期妊娠のリスクも低くなります。

最新の脳科学研究によると、知性知能は50%程度が遺伝によって決まるとされています。双子をそれぞれ異なる親が育てた場合の非常に多くのサンプルを集め、追跡調査を行った研究では、それぞれの成長後の知性知能には大差が見られなかったことが報告されました。

しかし、脳神経科学的には、人間の非認知能力は周囲からの影響や教育によって後天的に伸ばすことができるとされています。非認知能力を伸ばすことは、人間の総合的な能力の形成に役立ちます。詰め込み型の教育や学歴重視の考え方には、今一度疑問を持ってみる必要があるかもしれません。

また、人生の幸福度には、収入額よりも職務上の自己決定権の強さが多大な影響を及ぼすと、心理学や経営学の研究で明らかになりました。

アメリカの経済学者リチャード・イースタリンによる「イースタリン・パラドックス」と呼ばれる有名な研究では、年間所得が7万5000ドルを超えたところでお金と幸福度の高まりは比例しなくなるとのこと。その先は、自己決定権を有しているかどうかが重要なフェーズに入っていきます。

ですが、資本主義の構造上、現実は大半の人が誰かに雇われている立場であり、人生の選択の自由は低い状況にあることが分かります。人間を真に幸福にさせるのは、給料や見せかけの社会的地位などではなく、自身の能力を最大限発揮できて、自分が選択した人生を送ることができているという充実感です。

他人のルールに従って生きることや暗記した答えを求める勉強は、時に不幸な状況を招く可能性もあるため、人間は自分自身を創造的な存在として疑わず、その能力を発揮できる環境に身を置くのも良いでしょう。

参考文献
『世界のニュースを日本人は何も知らない』谷本真由美(ワニブックス)

Kenta

1992年生まれ、兵庫県在住。本業は個人事業主で、小規模団体の会計請負事業をやっています。ニュースや書籍を読むことが大好きなので、それらで得られた生き方に役立つであろう情報を皆さんとシェアできればと思います。

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