「あの人は頭がいい」という言葉は、今まで生活をしていると、みなさんよく耳にしてきた表現だと思います。テストの点数が高かったり、幅広い分野の知識を持っていたり、その表現の使われ方はさまざまです。
現代の脳科学の世界では「頭の良さ」を測る指標の1つに「他者と上手く付き合っていく力」があるそうです。
たしかに、いろいろな人と上手くやっていくためには、自分の感情を制御して相手の精神状態や思考の特性などを外見と会話から判断し、適切に対応させなくてはいけないわけですから、これは大変で繊細な作業だといえます。
最近の流れを見ていると、上下関係の力を使って相手を従わせるというのが、今までと違いどんどんと難しい世の中になってきているように感じます。これからこういった能力がより重要になっていくでしょう。
今は接客業というのは比較的就きやすい職業の1つですが、テクノロジーの恩恵が行き渡り、ロボットが活躍する効率化された社会になれば、接客業は礼節を備えた一部の人間だけが就けるステータス性の高い職業になっているのではないか、と想像したりしています。
一方で、創造性を伴わない情報処理や単純作業は、やがてAIとロボットに代替されます。社会全体として、こういった仕事の需要は徐々に下がっていくと思われます。
充実した人生を送るためには、人間はこれまで以上にクリエイティブな方面の能力を伸ばさなくてはなりません。
では、創造力とは一体何なのでしょうか。創造することは「無」から「有」を生み出すことであると考える人がいますが、どうやらこれはあまり正しくないようです。人間も被造物であるが故に、全くの0から1をつくり出す力は備わっていないからです。
創造力とは、すでにこの世に存在するものどうしを「上手に繋ぎ合わせる力」のことです。
Appleのスティーブ・ジョブズは「創造力とはいろいろなものを繋ぐ力だ。 一見すると関係ないように見えるさまざまな分野の疑問や課題、アイデアやひらめきを上手に繋ぎ合わせる力のことだ」と語っています。
私たちが意図的に何か新しいアイデアを出そうとするとき、脳の中では次のようなやり取りが行われます。
まず、新しいものをイメージするためには何か足がかりとなるものが必ず要りますので、前頭葉は記憶の保存場所である側頭葉に対して、たくさんの情報を出すよう要求します。
その指令を受けた側頭葉は、過去の記憶情報を可能な限り洗い出し、編集も加えて前頭葉に提出します。そして、前頭葉はその提出された情報を元にイメージを膨らませ、理想のアイデアを形づくろうとします。
つまり、創造するという行為の初期段階は、過去の経験や学びを思い出すことと非常に似ています。
10分間集中して考えても何も浮かんでこない場合、インプット不足や解決すべき課題が明確化されていない可能性が高いです。それ以上考えても時間の無駄なので、一旦考えるのをやめ、すでに他の人がつくり上げた自分が今つくろうとしているジャンルのものに触れにいくのがいいようです。