体の大部分を占めるたんぱく質
たんぱく質は、炭水化物・脂質と並ぶ「三大栄養素」の一つです。そして、人間の体の組織をつくる点において、重要な役割を果たす材料でもあります。
筋肉をはじめ、血管・内臓・皮膚・髪・爪など、体の大部分はたんぱく質でできており、その総重量は体重の約30〜40%もあると言われています。
特に筋肉においては、水分を除外して考えると、約80%はたんぱく質で形成されています。筋肉量は、健康な身体を手に入れるための重要な要素の一つですので、たんぱく質に目を向けることも大切です。
たんぱく質の含有量が多い食品としては、肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品などが挙げられます。サラダチキン・ゆで卵・枝豆・チーズ・ヨーグルト・さば缶・魚肉ソーセージなどは、小腹がすいたときに気軽にたんぱく質を摂取できるのでおすすめです。
たんぱく質は動物性と植物性に分けられる
食品から摂れるたんぱく質は、大別すると「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」に分けられます。
- 「動物性たんぱく質」は、肉・魚・卵・乳製品などに含まれる。
- 「植物性たんぱく質」は、豆・大豆製品・穀物などに含まれる。
「動物性たんぱく質」は、良質なたんぱく質を含む食品が多いですが、カロリーや脂質も多い傾向にありますので、よく考えて食品とその摂取量を選択する必要があります。
現在の体の状態と、目標とする体型次第なところがあるので、これをこれだけの量、と一概にいうのは難しい面があります。
「植物性たんぱく質」は、低カロリーで脂質も少ない食品が多いので、ダイエット中のかたは積極的に食事のメニューに取り入れるといいでしょう。
理想的なのは、動物性と植物性を1:1で組み合わせること。たとえばこんなメニューです。
| 動物性 | 植物性 | |
| 朝食 | ゆで卵 | 納豆 |
| 昼食 | 肉類 | 穀類 |
| 夕食 | 魚類 | 豆腐 |
上記のように朝は軽め、昼は重め、夜はその中間くらい、というのを意識すると健康的です。
ダイエット中は特にたんぱく質を意識して!
ダイエットの際にやってしまいがちなのが、お腹がすいているのに我慢して食事を抜いてしまうこと。この食事制限の問題点は、カロリーカットと同時に、たんぱく質もカットされてしまうところにあります。
たんぱく質が不足すると筋肉量が減り、筋肉量が減ると基礎代謝が落ちてしまうため、燃費の悪い太りやすい体質になってしまいます。その結果、食事量を食事制限前に戻すと、すぐリバウンドしてしまうということに。
ダイエットには運動も大切なわけですが、運動する目的はカロリーを消費させるためというよりも、筋肉量の増加や維持のため、と考えたほうがいいです。
ウォーキング1時間で消費できるカロリーは、おにぎりで約1個分、ランニング1時間だとパンケーキで約2枚分程度でしかありません。これならば、炭水化物の摂取を控えて、たんぱく質が豊富な食品で空腹を満たすほうが現実的です。
そして、運動をしない日でも筋肉はつくられている、ということも忘れてはいけません。
アルコールとプロテインは相性が悪い
結論からいうと、アルコールは筋肉にとっては足を引っ張る存在です。
「アルコールが筋肉の合成に及ぼす影響を調べた研究」があるのですが、それによるとアルコールはプロテイン(たんぱく質)の効果を弱めるそうです。
この研究では、筋トレ後の筋肉の合成量を次の2つの場合で比較しました。
①アルコールとプロテインを一緒に摂った場合
②プロテインのみを摂った場合
すると、「②プロテインのみを摂った場合」のほうが筋合成の割合が高いという結果に。
「①アルコールとプロテインを一緒に摂った場合」ではプロテインの効果が抑えられ、筋肉の合成率が「②プロテインのみを摂った場合」と比較すると30〜40%も低下しました。
トレーニングを頑張った日ほど、冷たいビールが欲しくなるかたもいらっしゃると思いますが、筋肉のためには我慢しなくてはいけません。少なくとも当日の飲酒は控えて、翌日以降のオフの日にでもジョッキ1杯程度で抑えておくのがいいでしょう。
疲れたときには甘いものよりたんぱく質
たんぱく質は、疲労回復にも効果的です。体の疲労だけでなく、脳疲労も回復させる働きがあります。
一般的に、疲れているとき、特に脳が疲労しているときには「甘いものを食べたほうがいい」とよくいわれたりします。
確かに、疲労時に甘いものを食べると脳や体に糖分が運ばれ、一時的に疲れが軽減したように感じられます。しかし、糖分を摂ったことで急激に上がった血糖値は、やがてインスリンの働きにより一気に下がります。
疲れたときに甘いものばかり食べていると、血糖値の急変動が頻繁に起こり、長期的にみるとさらなる疲れやだるさを引き起こす原因となります。
疲労回復目的の間食には、ナッツ・小魚・チーズ・ヨーグルトなどの低糖質でたんぱく質が豊富な食品を摂取して、疲れを上手に解消していきましょう。
参考文献
- 藤田聡『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』(2019)日本文芸社